産後の運動不足解消法は?効果的なおすすめトレーニングを紹介
産後は、体が重い・すぐに疲れるというお母さんも多いのではないでしょうか。出産で体力を使ったのはもちろんですが、運動不足もその原因となっています。そこで今回は、産後の運動に関しておすすめのトレーニング方法や注意点などを紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
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産後に筋力が低下する理由
産後はなぜ筋力低下が起こりやすいのでしょうか。ここでは主な原因をご紹介します。
骨盤底筋群が緩むため
骨盤の底にある筋肉の集まりが「骨盤底筋群」です。この筋肉は、妊娠中には母体の内臓や胎児をしっかり支えてくれますが、出産後は大きな役割を終えて、一気に緩んでしまいます。すると内臓を支える筋力も低下し、骨盤の歪みや開きから、体のバランスが崩れて全体の筋力も衰えてしまうのです。
妊娠中の運動不足が影響するため
妊娠中はお腹が大きくなるにつれ、思うように動けなくなっていきます。数ヶ月だけでも、動かしていない筋力はかなり衰えるため、戻すのにも時間がかかります。妊娠中の運動不足は、出産後もかなり後を引いてしまうのです。
産後の運動はいつからすればいい?
まず、少なくとも産後1ヶ月は激しい運動は絶対に控えましょう。1ヶ月検診でとくに問題がなく、医師から運動のOKが出れば次に紹介するトレーニングを日常生活に取り入れてみてください。
運動不足解消におすすめのトレーニング
では、実際に産後の運動にはどのようなトレーニングが効果的なのでしょうか。ここでは、おすすめの運動方法についてご紹介します。
運動が苦手でも簡単「ストレッチ」
運動を始めるなら、軽いストレッチからがおすすめです。しばらく運動不足だった体は、急に負荷を与えると怪我をする恐れがあります。まずはストレッチで固まった筋肉をほぐし、体を運動モードへ切り替えていきましょう。ストレッチも呼吸を意識してじっくりやれば、運動不足の人にとっては汗が滲むくらいの運動量になります。
有酸素運動の「ウォーキング」
有酸素運動で、心肺機能や体力を戻していきたいならウォーキングがおすすめです。初めは「散歩」気分でもいいので、自分の足で10分以上連続して歩くことを意識しましょう。体力に余裕が出てきたら、徐々に時間や距離を伸ばしてみてください。ウォーキングは気分転換にも良いので、心身ともにリフレッシュ効果が期待できます。
インナーマッスルを鍛える「ドローイン」
ドローインは体幹を安定させ、姿勢を整え猫背の改善が期待できます。妊娠中の姿勢で反り腰や猫背になる人が多いため、ドローインで圧迫されていた内臓が元の位置に戻りやすくなる手助けをしましょう。
- 仰向けに寝て膝を立てる
- お腹に手を当てながら息を吐き、腹筋に力を入れる
- 10秒キープしてから、ゆっくりと力を抜く
- 慣れてきたら、上体を起こしおへそを覗き込みながら10秒キープ
腹筋に力を入れる際に、肛門や膣も同時に引き締めると骨盤底筋の筋力アップにもつながります。
全身の筋肉を鍛える「プランク」
プランクはインナーマッスルと体の安定性を高める、全身運動です。体幹が鍛えられると、姿勢の改善や代謝の上昇が期待できます。
- 床にひじをつき、うつ伏せになる
- つま先を立て、腰を浮かせるひじとつま先で体を支る
- 全身が横一直線になったら10秒キープ
- 体を床につけて元の状態に戻る
プランクは、筋力が落ちているとかなりハードです。最初は無理のない秒数から始め、徐々に増やしていくと数分単位で体を支えられるようになります。
お尻と骨盤底筋を鍛える「ヒップリフト」
ヒップリフトは、出産によってとくに衰える骨盤底筋を鍛えるのに適したトレーニングです。また、脊柱起立筋という姿勢に関わる筋肉も鍛えられるので、姿勢の改善効果も期待できます。
- 仰向けに寝て、膝を立てる
- 両腕を体の横に置き、手のひらを床につける
- お尻をゆっくり上げて床から離す
- 肩から膝までが斜め一直線になったら10秒キープする
※お尻、骨盤底筋、腹筋が引き締まっていることを意識
- ゆっくりとお尻を下げて元の状態に戻る
ヒップリフトも、プランク同様に下半身を中心に全身の筋肉を使います。そのため、初めて行う際はキープ時間は無理のない範囲で設定し、回数も自分ができる範囲で行うことが大切です。
産後に運動する際の注意点
一番の注意点は、決して無理をしないことです。とくに初産の場合は産後すぐは、わからないことばかりで心身ともに疲弊しがちです。そこに無理をして運動を組み込むと、体を壊してしまう可能性があります。生活が少し落ち着いて、少しでも自分のための時間に目を向けられるようになってから、運動を始めてみましょう。
産後の運動は無理なく自分のペースで行おう
産後は誰でも一時的に筋力が落ち、運動不足になりがちです。しかしここからの運動不足解消は、無理なく自分のペースで行うことが大切になります。体の回復速度や元々の筋肉量には、個人差があります。誰かと比べたりせず、自分のペースを保ちながら運動不足を解消していきましょう。